BRO提訴

「森永卓郎氏の名誉毀損発言について、同氏とテレビ朝日の発言撤回を勝ち取る!」

テレビ朝日「サンデープロジェクト」番組内での森永卓郎氏による名誉毀損発言につて、 戸塚校長は、平成16年9月2日、東京地方裁判所に提訴し、審理の結果、平成17年7月5日、当方の勝訴的和解ということになり、ここに皆様にご報告申し上げます。

テレビ朝日と森永卓郎氏はこの度の戸塚ヨットスクールに対する発言の非を認めたうえで撤回 し、事実上謝罪をしたという結果です。

和解条項については、

(和解条項)

1、 被告らは、平成13年9月9日に放送された「サンデープロジェクト」の「小泉政、 最大の危機、崩壊するのか!?日本経済」という番組において、被告森永が行った「IMFなんか受け入れたら、あれは戸塚ヨットスクールですからね、しごきの理論しかないんですよ。もう、アジア国、どれだけダメにしたかわかってんですか。」という本件発言によって原告が不快の念を抱いた事に鑑み、戸塚ヨットスクールに関する部分を撤回 する。

2、 被告森永は、比喩表現として用いるなどして不必要に原告の運営する戸塚ヨットスクールを揶揄しないよう配慮する。

3、 本番組については一切解決したものとし、原告は被告らに対し、本条項に定めた以外に何らかの請求権がないことを確認する。

4、 原告は、その余の請求を放棄する。

5、 訴訟費用は、各自の負担とする。

 

経緯


訂正放送等請求書

前略 小職は、愛知県知多郡美浜町大字北方宮東70-1所在の戸塚ヨットスクールこと戸塚宏(以下「通知人」と云ふ。)の委任を受けた代理人弁護士として、放送法第4条第1項に基づき、次の通り訂正放送等を請求します。

 貴社の放送にかかるテレビ朝日の平成13年9月9日(日)午前10時からの「サンデー・プロジェクト」の番組内で、「小泉政権、最大の危機 崩壊するのか!?日本経済」といふ経済討論があり、司会は田原総一朗、参加者は森永卓郎(経済アナリスト)、金子勝(慶応義塾大学教授)、桝添要一(自民党参議院議員)でした。

 その中で(時刻は午前10時50分ころ)、我が国がIMFの審査を受け入れるかいなかの話題に及んだとき、田原氏が金子氏の発言を受けて、「それじゃあね、銀行もいいかげん、金融庁もいいかげんならば、IMFの審査を受け入れることはいいことじゃないですか。」といふやりとりに割り込むやうにして、突然に森永氏が「IMFなんか受け入れたら、あれは戸塚ヨットスクールですからね、しごきの理論しかないんですよ。もう、アジア国、どれだけダメにしたかわかってんですか。」と発言しました。そして、この発言については、誰も制止したり批判したりしませんでした。むしろ、金子氏、桝添氏らは同調的な微笑を浮かべていました。

 しかし、これは、殊更に通知人を揶揄し、しかも、討論内容とは全く脈絡がない問答であって、通知人が虐待のみで子供たちをダメにしてしまったといふ「真実でない事項の放送」に該当するとともに、明らかな名誉毀損行為です。

 戸塚ヨットスクールの教育は、そのやうな虐待を目的としたものではなく、脳幹を鍛錬するといふ教育原理に基づいて情緒障害児等の症状完治ないしは改善に大いなる教育的実績をもたらしてきたことについて、マスメディアは従来までは全く報道せず、意図的な偏見と誤報を続けていましたが、現在では、徐々にその偏見は払拭されつつあります。たとへば、平成10年7月31日午後9時の「驚きももの木20世紀」で「戸塚ヨットスクール2000日の記録」などで紹介され、また、「戸塚ヨットスクールを支援する会」の会長は従来から石原慎太郎東京都知事であり、同知事も平成10年3月29日の産経新聞朝刊で、通知人の教育原理を評価してゐるのです。

 このやうなことからして、森永氏の前記発言は、通知人の名誉を毀損するものとして、先づは、放送法に基づき、同番組において、同発言を撤回して謝罪し、森永氏の謝罪文を朗読する旨の訂正放送がなされることを強く求めます。

 なほ、通知人の関係者が平成13年9月15日午後10時30分ころ、翌日にある同番組の冒頭において上記同様の要求を行ひましたが、その担当者は、何らの調査も協議もせずして、一切謝罪しないと即答されましたが、このやうな放送法第4条第1項に関する事項について、窓口の者の独断で拒否するといふが如きは放送人としての謙虚さが皆無であり、傲慢の極みであって、そのやうな貴社の窓口業務の処理態度には呆れ果てます。

 願はくば、通知人のホームページその他の資料を充分に検討され、直ちに訂正放送が実現されることを期待しますが、貴社の対応如何によっては、法的措置を検討せざるをえません。

 本件につきましては、小職が全て一任されてをりますので、通知人へのご連絡等につきましては、小職が全て承りますのでご了承ください。不一

  平成13年9月18日

東京都港区六本木1ー1ー1
全国朝日放送株式会社
代表取締役 広瀬 道貞 殿

京都市中京区新町通竹屋町下る徹ビル2階
弁護士 南出喜久治

 

<名誉毀損問題の経緯>

①平成13年9月9日テレビ朝日の番組「サンデー・プロジェクト」で、「IMFなんて受け入れたら、あれは戸塚ヨットスクールですからね、しごきの理論しかないんですよ。もう、アジアの国、どれだけダメにしたか…」という不当発言(森永卓郎氏)がありました。

②放送から約1週間後、テレビ朝日に電話し、上記の内容は「戸塚ヨットスクールに対する名誉毀損に当たるから、訂正と謝罪をして欲しい」と求めましたが「訂正も謝罪もしない」と言われました。

③平成13年9月18日、弁護士と相談したところ、森永氏の発言はやはり戸塚ヨットスクールに対する侮辱に当たるし、テレビ朝日の対応にも誠意がないと判断し、訂正放送を求める内容証明を送りました。

訂正放送等請求書

 前略 小職は、愛知県知多郡美浜町大字北方宮東70-1所在の戸塚ヨットスクールこと戸塚宏(以下「通知人」と云ふ。)の委任を受けた代理人弁護士として、放送法第4条第1項に基づき、次の通り訂正放送等を請求します。

 貴社の放送にかかるテレビ朝日の平成13年9月9日(日)午前10時からの「サンデー・プロジェクト」の番組内で、「小泉政権、最大の危機 崩壊するのか!?日本経済」といふ経済討論があり、司会は田原総一朗、参加者は森永卓郎(経済アナリスト)、金子勝(慶応義塾大学教授)、桝添要一(自民党参議院議員)でした。

 その中で(時刻は午前10時50分ころ)、我が国がIMFの審査を受け入れるかいなかの話題に及んだとき、田原氏が金子氏の発言を受けて、「それじゃあね、銀行もいいかげん、金融庁もいいかげんならば、IMFの審査を受け入れることはいいことじゃないですか。」といふやりとりに割り込むやうにして、突然に森永氏が「IMFなんか受け入れたら、あれは戸塚ヨットスクールですからね、しごきの理論しかないんですよ。もう、アジア国、どれだけダメにしたかわかってんですか。」と発言しました。そして、この発言については、誰も制止したり批判したりしませんでした。むしろ、金子氏、桝添氏らは同調的な微笑を浮かべていました。

 しかし、これは、殊更に通知人を揶揄し、しかも、討論内容とは全く脈絡がない問答であって、通知人が虐待のみで子供たちをダメにしてしまったといふ「真実でない事項の放送」に該当するとともに、明らかな名誉毀損行為です。

 戸塚ヨットスクールの教育は、そのやうな虐待を目的としたものではなく、脳幹を鍛錬するといふ教育原理に基づいて情緒障害児等の症状完治ないしは改善に大いなる教育的実績をもたらしてきたことについて、マスメディアは従来までは全く報道せず、意図的な偏見と誤報を続けていましたが、現在では、徐々にその偏見は払拭されつつあります。たとへば、平成10年7月31日午後9時の「驚きももの木20世紀」で「戸塚ヨットスクール2000日の記録」などで紹介され、また、「戸塚ヨットスクールを支援する会」の会長は従来から石原慎太郎東京都知事であり、同知事も平成10年3月29日の産経新聞朝刊で、通知人の教育原理を評価してゐるのです。

 このやうなことからして、森永氏の前記発言は、通知人の名誉を毀損するものとして、先づは、放送法に基づき、同番組において、同発言を撤回して謝罪し、森永氏の謝罪文を朗読する旨の訂正放送がなされることを強く求めます。

 なほ、通知人の関係者が平成13年9月15日午後10時30分ころ、翌日にある同番組の冒頭において上記同様の要求を行ひましたが、その担当者は、何らの調査も協議もせずして、一切謝罪しないと即答されましたが、このやうな放送法第4条第1項に関する事項について、窓口の者の独断で拒否するといふが如きは放送人としての謙虚さが皆無であり、傲慢の極みであって、そのやうな貴社の窓口業務の処理態度には呆れ果てます。

 願はくば、通知人のホームページその他の資料を充分に検討され、直ちに訂正放送が実現されることを期待しますが、貴社の対応如何によっては、法的措置を検討せざるをえません。

 本件につきましては、小職が全て一任されてをりますので、通知人へのご連絡等につきましては、小職が全て承りますのでご了承ください。不一

  平成13年9月18日

東京都港区六本木1ー1ー1
全国朝日放送株式会社
代表取締役 広瀬 道貞 殿

京都市中京区新町通竹屋町下る徹ビル2階
弁護士 南出喜久治

 

④平成13年9月25日、これに対しテレビ朝日側は、森永氏は「IMFも戸塚ヨットも共に妥協を許さない厳しさがある」と言いたかっただけ、「従って名誉毀損には当たらないし、謝罪もしない」という主旨の返事を送付してきました。

拝復 全国朝日放送株式会社「サンデープロジェクト」の代理人として本書面を差し上げます。

 早速ですが、貴職作成の平成13年9月18日付内容証明郵便による「訂正放送等請求書」を拝見いたしましたのでご返事申し上げます。

 平成13年9月9日放送の「サンデープロジェクト」の番組(以下等番組という)中、経済アナリスト森永卓郎氏の
「IMFなんて受け入れたら、あれ戸塚ヨットスクールですから。」
「もうしごきの理論しかないんですよ。」
「もうアジアの国どれだけ駄目にしたか分かってるんですか。」
との発言部分につき、同氏本人にその趣旨を確認いたしましたところ、IMFの査定の姿勢と、戸塚ヨットスクールの教育の姿勢は、ともに妥協を許さず厳しく指導するものであると認識しており、その厳しい指導の喩えとしてそのような表現になりました。
とのことでした。
当番組といたしましても、森永氏の前記発言において、特段戸塚ヨットスクール並びに戸塚宏氏を誹謗中傷したものはなく、かつ、視聴者にもそのような印象を与えてはいないと認識しております。
従いまして、森永氏の前記発言において戸塚ヨットスクール及び戸塚宏氏に関し、その社会的評価を貶める事実の摘示は何らなされていないものと判断いたしますので、貴職の訂正放送の御請求には応じかねます。
以上のとおり御回答申し上げます。
なお、本件につきましては本職がその事務全般を管掌しておりますので、今後のご連絡等は本職宛に賜りますようお願い申し上げます。
敬具

 平成13年9月25日

東京都港区新橋1-17-8 TKK新橋ビル5階
全国朝日放送株式会社 「サンデープロジェクト」
代理人 弁護士 田中喜代重

京都市中京区新町通竹屋町下る徹ビル2階
弁護士 南出 喜久治 殿

 

⑤平成13年10月1日、南出法律事務所から「承服できない」という主旨の内容証明を改めて発送。これに対し、平成13年10月15日、局側からは④とほぼ同様の回答がきました。その後2回、内容証明によるやりとりをしていますが、事態は平行線のままです。

⑥平成14年2月21日、テレビ朝日側の対応が一向に変わらないため、この問題を第三者機関に審議してもらうべく、BRO(放送と人権等権利に関する委員会機構)に申し立てを行いました。

申 立 書

放送と人権等権利に関する委員会 殿
申立年月日  平成14年2月21日
申立人      戸塚 宏   印

権利侵害の種類
申立人に対する名誉毀損

発生年月日
平成13年9月9日

放送局名
テレビ朝日

番組名と放送時間
「サンデー・プロジェクト」 AM:10:00~

権利侵害の内容
上記番組内で話題がIMFの審査を受け入れるべきか否かという点に及んだ時、出演者の森永卓郎氏(経済アナリスト)が、「IMFなんか受け入れたら、あれは戸塚ヨットスクールですからね、しごきの理論しかないんですよ。もう、アジアの国、どれだけダメにしたか分かってんですか」と発言。 この発言に対し、参加者の制止や、司会者の訂正はありませんでした。

放送局との交渉経過と要求
① 放送から約1週間後、戸塚宏校長の代理で、延武眞美(「戸塚ヨットスクールを支援する会」)がテレビ朝日に電話。「この発言は戸塚ヨットスクールがしごきで子供をダメにしたという意味になり、スクールと同校校長の戸塚宏に対する重大な名誉毀損にあたる。謝罪と訂正をしてほしい」と抗議。しかし、局側は「できない」の一点張りで全く誠意のない対応に終始した。
② 平成13年9月18日、南出法律事務所を通じ、局宛に名誉毀損であることを伝え、訂正と謝罪を求める文書を内容証明で送付。
③ 平成13年9月25日、局側の弁護士から、「森永氏は『IMFも戸塚ヨットも共に妥協を許さない厳しさがある』と言いたかっただけ。だから名誉毀損にはあたらず、謝罪も訂正もしない」という旨の回答を得る。
④ 平成13年10月1日、南出法律事務所より、「承服できない」旨の内容証明を送付。平成13年10月15日、局側からほぼ同一内容の回答。その後2回、内容証明によるやりとりをしたが、事態は平行線のまま今に至っている。

添付資料
① 録画ビデオ
② 当方の抗議文と局側の回答
③ 「なんか」という語について
「なんか」は助詞で、2つの意味がある。
1つは「例」として示す場合。「例:こちらの品なんかいかがですか」。
もう1つは望ましくないもの、価値の低いものを示す場合。
「例:お前なんかに同情されたくない」。(広辞苑)
森永氏の発言は、「アジアの国をダメにした」という表現から分かるように、明らかに後者の「望ましくない」ものの例として戸塚ヨットを引用しており、いわれなき誹謗中傷に当たります。

 

⑦平成14年6月18日、BROが戸塚ヨットの申し立てに応じ、審議を開始することが決定しました。

⑧平成14年6月28日、テレビ朝日より、BROに答弁書が提出されました。

答 弁 書

放送と人権等権利に関する委員会
委員長 清水 英夫 殿
平成14年6月28日
全国朝日放送株式会社
取締役情報局長 中井 靖治

番組名  サンデープロジェクト
平成13年9月9日(日) 午前10時~11時45分

番組内容 経済コーナーの中で、ゲスト出演者であるエコノミストの森永卓郎氏が、IMFの査察を受けるか受けないか、と発言したくだりで、戸塚ヨットスクールを例えに出しました。

申立て人との交渉経過
「森永発言が名誉毀損にあたる」ということで、戸塚ヨットスクールの代理人南出喜久治弁護士から内容証明が届き、テレビ朝日も田中喜代重弁護士を代理人としてこちらの見解を返答しています。その後1回文書のやり 取りをしています。
また、森永氏へも戸塚ヨットスクールから通告書が届きましたので、テレビ朝日が森永氏に代わり返答しています。
戸塚氏の代理人の南出弁護士からはその後、当社宛には何もお返事をいただいていません。また、話し合いを打ち切る主旨のご連絡も頂いておりません。
番組としては、話し合いの窓口は閉ざしていないという認識でいたところ、戸塚宏さんご本人がBROへ申し立てを行った事を知り、当惑しています。
今回は、夫人である幸子さんが代理人として申し立てを行ったようですが、番組としては、どなたとお話し合いをすべきか、判断に迷うところです。

テレビ朝日の見解
森永発言は、IMFも戸塚ヨットスクールもともに妥協を許さない厳しさがある、と指摘しただけで、名誉毀損にはあたらないため、訂正も謝罪もする必要はないと判断しました。

添付資料   (既にこのHPで紹介済みの内容証明のため、省略)

 

⑨平成14年9月30日、BROより、審議の結果が発表されました。→詳細

以上が一連の経緯です。

マスコミは、自分勝手な理屈をつけて平気で人権を踏みにじります。同じような体験をされた方のご意見や体験をお寄せ下さい。→メール

 

日記


2002年9月17日(火)    BRO

最近、東京はずっと雨続き。すっきりしません。戸塚ヨットのある愛知県・河和でも同じ。雨が降り、風もない日が続いています。雨は海上訓練にとっては関係ないことですが、風がないのは張り合いのないこと。ここのところずっと、スクールの訓練は作業になっています。

先週紹介した「ごみの山」ですが、まだまだいたる所にありました。コーチ達は、この機会にこれらのごみを一掃する計画のようです。連休中もスクールは関係なくごみ整理。よって、今では見違えるように空間が広がったとか。次回見に行くのが楽しみです。

17日は、さすがに生徒も作業疲れか、体調を崩す者が出てきました。そこで昼からは完全にお休み。それぞれ自由な時間を過ごしました。と言っても、2階の監視下にあるメンバー(赤木、野島、中川)の自由は限られています。できるのは読書かごろ寝程度…(あと、勉強もできますね)。1階に降りられるようになれば、散歩に行くことだってできます。

一番の散歩好きは田口君(31歳、元引きこもり)。毎晩欠かさず1人で散歩に出かけます(引きこもっていたが嘘のよう…)。その田口君、以前から動悸が気になると訴えていました。診察はしてもらったものの異常なし。それでも気になると訴え続けるので、先週1泊検査入院に行かせました。もう1人で行っても大丈夫なはずですが、親御さんのたっての希望で榊原コーチが病院まで送り迎え。やはり、親御さんの信頼を取り戻すには時間がかかるものです。検査の結果は月末に分かります。

さて、話は変わりますが、私はこの日、幸子さん(校長の奥様)と一緒に、BROに行ってきました。BROとは「放送と人権等権利に関する委員会機構」のこと。何をする所かと言うと、放送によって人権が傷つけられた時、その訴えを聞いてくれる第三者機関。放送局との話し合いでらちがあかない時に、間に立って動いてくれる機関です。なぜ、BROに行くことになったかはこちらをご覧下さい→詳細。

そういうわけで、やっと審議を開始してくれたBROに、今回「ヒアリング」ということで呼び出しを頂いたのです。「ヒアリング」とは、要するに事情聴取のこと。今回のテレ朝との顛末だけでなく、スクールの実態について、審議委員にアピールするチャンスです。なぜ幸子さんと一緒なのかというと、申立人が戸塚宏で、その代理には身内しかなれなかったから。幸子さんには、わざわざこのために名古屋からご足労頂きました。私はその補佐役です。

ヒアリングは私達だけでなく、テレ朝側も行なわれました。時間が別々だったので、相手がどんな人なのかは分かりません。このヒアリングが終われば、実質的な審議は終わり(提出物はもう色々していますから)。後は結果を待つばかりです。今回の内容は、普通に考えればやはり戸塚ヨットの言い分の方が一理ある気がするのですが。さて、BROがどういう「見解」、あるいは「勧告」を出すのか、要注目です。

※文中の生徒名は全て仮名です。

 


2002年9月30日(月)    BRO審議結果

9月17日の日記でお話したBROですが、30日、ついに審議結果が出ました。私は校長の代理人である幸子夫人のさらに代理として、午前11時、赤坂にあるBRO本部に行ってきました。そこで、審議結果を受け取るためです。会場には審議委員の方4名ほどが待機されており、私の目の前で、審議結果を読み上げました。

結果の概略は、「森永氏の発言は直接戸塚ヨットを非難したものではなく、例えとして間接的に使ったものなので、名誉毀損とまでは言えない。しかし、的外れな弁明を繰り返したテレ朝の態度には、誠実さや謙虚さが欠けていて問題がある」といったものでした。

「名誉毀損」という訴えは退けられましたが、私自身、あれは森永氏のちょっとした失言だと思っています。もちろん、戸塚ヨットのことをよく分かりもしないのに勝手に引き合いに出すことは許されないと思いますが。問題は、その後のフォローアップです。番組は自由な発言を許しているわけですから、失言もあるでしょう。それを禁止してしまっては、熱のこもった議論もできないと思います。ただ、失言にはその後のフォローが大切だと思うのです。速やかなフォローが。

それがあれば、戸塚ヨットでなく、他の方々でも「まぁ、そういうことなら」と許せる部分が多々あるんではないでしょうか。それは本来同じ番組中に成されるべきであり、それに無理があればその後テレビ局の方から何らかのリアクションを起こして欲しいものです。

今回、番組放送後にこちらからテレ朝に電話し、「謝罪」を求めた時、電話口の女性にはこの苦情を真摯に受け止めようという姿勢はまったく感じられませんでした。更に、テレ朝の弁護士が送ってきた文章には、「森永氏の発言は、IMFも戸塚ヨットも妥協を許さない厳しい姿勢があるという意味」とあり、まるで「いい意味で使ったんですよ」と言わんばかり。「IMFなんて、…戸塚ヨットと同じで…アジアの国をメチャメチャにした…」。これのどこが誉めているというのでしょう。

BROが指摘したように、今回の件は発言の内容如何よりも、テレ朝の苦情に対する対応のずさんさ、いいかげんさ、思いやりのなさが一番の問題だと思います。今回のBROの決定で、マスコミがその横暴さを自戒し、今後のマスコミによる人権侵害、人権無視が少しでも減れば幸いだと思います。

※文中の生徒名は全て仮名です。

 

 


()ホームケア彦島
代表取締役 長富伊佐穂

オーシャンアセットマネジメント(株)
CIO 久富 哲也

   

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